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2023/12/13
切削加工

切削加工しにくい金属(難削材)ランキング!とその対処法 ~現場の声から

金属には様々な種類があります。
その中でも特に加工しにくい金属について、現場スタッフへのアンケートからわかった結果をこの記事では報告します。
今回の加工しにくい金属ランキングは、テクノス三木工場内で切削加工に関わっているスタッフに直接アンケートをとって、上がってきた声による最も加工しにくいと感じる金属のランキングと、そういった難削材への対処方法についてご紹介します。

金属に関するアンケートを取り、切削加工しにくいと感じる金属(難削材)ランキングとその対処方法についてまとめてみた

今回は現場の切削加工に関わっているスタッフに金属に関するアンケート実施しました。アンケート項目の一つ、加工しにくい(もしくは扱いにくい)と感じる金属についてのランキング発表とそれら加工しにくい金属を切削加工するときの対処方法についてご紹介します。

アンケートの方法について

アンケートはシンプルに「加工しにくいと感じる金属(鋼種)を教えてください。」として1位から3位まで記述してもらいました。対処方法と細かい内容についてはアンケートの後に現場に聞き取りに行きました。
記入してもらった金属には、1位が3ポイント、2位が2ポイント、3位が1ポイントとして、ポイント加算し、ランキングを付けました。一つの順位に2つ以上種類がかかれている場合も、差をつけることなく同じポイントとしました。
例えば、1位が3つ、2位が2つ…と書かれていたとしても、すべての金属にそれぞれポイントを付けました。よくあるランキング形式の同率1位が3つあれば3位まで埋まる…という形よりもその方が現場の意見が吸収できると考えてこういった形のポイント付与でランキングをつけてみました。

切削加工総合ランキング以外にも旋盤・マシニングセンターそれぞれのランキングも作成した

切削加工の総合でランキング作成している時に結果を見てみると、同じ切削加工でも、旋盤加工とマシニングセンターでの加工は機械の種類が異なるためか違った結果が見られたので、それぞれの結果ランキングも上げてみることにしました。
旋盤加工でのランキングと、マシニング加工でのランキングは別の記事にてご紹介します。
また、これらのランキングで登場する難削材を加工する際の対処方法については、旋盤とマシニングの記事の方で主に紹介することとし、この切削加工総合ランキングの記事ではざっくりとした対処法について紹介します。

切削加工で加工しにくい金属ランキング 総合

加工しにくい金属の総合ランキングです。旋盤加工とマシニング加工の両方で選ばれることが多かったものです。
  • 1位…ハステロイ   14ポイント
  • 2位…チタン       7ポイント
  • 3位…コンスタンタン   6ポイント

加工しにくい金属総合1位は、一般的にも難削材で有名なハステロイ。

加工しにくいランキング総合1位は、一般的にも難削材で有名なハステロイでした。圧倒的なポイント獲得で1位でした。
硬くて強い(高強度・高靭性・高耐食性)ニッケル合金のハステロイは、刃物が欠けてしまってダメになってしまうことが多く、加工に時間がかかってしまうということで、加工しにくいと感じる人が多いようでした。
旋盤でもマシニングでも、刃物がダメになってしまうという意見が出ていました。刃物がダメになると機械を止めて刃物の取り換えの必要が出てくるため、時間も手間もとられてしまいます。

加工しにくい金属総合2位はチタン。こちらも難削材で有名。

加工しにくいランキングの2位はチタンです。こちらも一般的に難削材と言われて有名な金属です。
強くて柔らかい(弾性のある)チタンは現場の人の表現を使うと粘り気がある(高靭性)金属で、切削加工で削った数が刃物に絡まりついて取れにくいために加工しにくいという意見が多く見られました。

加工しにくい金属総合3位はコンスタンタン

加工しにくいランキング3位はコンスタンタンです。
特にマシニングセンターの部署からの意見が強く3位にランクインしました。一般的には聞きなれない金属のコンスタンタン。コンスタンタンという時計のブランドがあるようですが、こちらはそれではなく温度測定器の熱電対に使用される金属のコンスタンタンです。
銅とニッケルの合金でやわらかいため、切削加工時に強く固定(チャッキング)すると変形してしまいやすく、だからと言って固定が弱すぎると動いてしまうため難しい、とのことでした。

切削加工スタッフに聞いた、加工しにくい金属(難削材)を加工するときの対処法

アンケート後、スタッフに加工しにくい金属を加工するときに実際にしている対処法を聞きに行きました。
どの機械で切削加工する場合も、共通する対処法は以下でした。
  • 刃物の選択
  • 機械プログラムの微調整
  • 連続運転せずに何回も確認、必要な対応をする


切削加工しにくい金属(難削材)とその対処方法のまとめ

切削加工しにくい金属の特徴は、刃物が欠けてしまったり金属クズが巻き付いてしまう、変形してしまうなど、マメに確認をしていないと製品の仕上がりに影響が出てしまうものでした。
マメに確認したり手を加えたりする必要がある金属は、どうしても手もとられてしまうし気も使うので扱いにくいと感じることがわかりました。

一般的に難削材と言われている金属が加工しにくいと感じつつも積み上げた経験で対処している

アンケートをとってみてわかったのは、一般的に難削材と言われている金属が、やはりそのまま現場のスタッフが加工しにくいと感じる金属であり、そういったいわゆる「難削材」と呼ばれるものであっても、経験を積んでいくことによって対処できるようになり、それがテクノス三木で製造している製品の安定した品質に繋がっていることがわかりました。(詳細については旋盤・マシニングの各ランキングのページにて)
日々の研究と経験の積み上げで難削材の加工にも積極的に取り組んでいるテクノス三木に興味を持っていただいた方は下記よりご連絡ください。