2024/02/07
切削加工
最も切削加工しやすい金属ランキング ~現場スタッフの声より
2024年が明けて、今年もテクノス三木はスタッフ一同元気に作業を開始しています。
さて、2023年の12月には加工しにくい金属のランキングを記事にしました。それでは、最も加工がしやすい金属とは何なのでしょう?ということで、今回は現場のみなさんに撮ったアンケート結果から、加工しやすい金属のランキングをつけて発表したいと思います。
この記事は、テクノス三木の切削加工スタッフが実際に切削加工をしていて、加工しやすい金属と感じる金属について、ランキングにしてまとめています。
金属に関するアンケートの切削加工しやすい金属についてまとめてみた
年末に記事をあげた「切削加工しにくい金属ランキング」。
このアンケートの時、同時に加工しやすい金属についてもアンケートを取っていましたので、「切削加工しやすい金属」についてまとめてランキングにして発表します。
このアンケートの時、同時に加工しやすい金属についてもアンケートを取っていましたので、「切削加工しやすい金属」についてまとめてランキングにして発表します。
アンケートの実施方法について
アンケート実施は「加工しにくい金属」の時と同様に、「加工しやすいと思う金属を教えてください」と質問して、加工しやすいと感じる金属の名前を挙げてもらう(1位から3位まで)とともに、どういったところが加工しやすいと感じるのかについて回答してもらいました。
返ってきたアンケート結果のランキング方法は、加工しにくい金属の時と同様に、1位が3ポイント、2位が2ポイント、3位が1ポイントとしてポイントを加算していき、合計ポイントを出すことで算出。ポイントの高い金属を1位としました。
加工しやすい金属に関しては、一つの順位に複数の金属を書いている人が少なく、非常にシンプルな結果となりました。(加工しにくい金属については複数同率順位に複数記入があるなど個性的な結果でした。)
アンケート結果から加工しやすい金属について、切削加工総合・旋盤・マシニングそれぞれランキング。
切削加工しやすい金属総合ランキングと旋盤・マシニングそれぞれのランキングも出しました。(切削加工しにくい金属ランキング同様)
旋盤とマシニングでランキングを分けていますが、切削加工がしやすい金属に関しては、意見の違いが機械の種類というよりも、一緒に働いている期間が長い人達が結果が近いという傾向が(加工しにくい金属よりも)より顕著にみられました。
「切削加工しにくい金属」の結果の時も一緒に働いている期間が長い人たちが同じ意見だという傾向がみられたので、一緒に働いて同じような製品を製造しながらコミュニケーションをとる中で共感しあって意見があってくるのだなぁ…という印象です。
切削加工しやすい金属ランキング 総合
切削加工しやすい金属の総合ランキングです。総合は旋盤もマシニングも両方のアンケートの合計でポイントを付けたものです。
- 1位…SUS303、アルミ 11ポイント
- 2位…真鍮 8ポイント
- 3位…SUS304 5ポイント
加工がしやすい理由としてはやわらかい金属だから加工しやすい(SUS303・アルミ・真鍮)という理由と、扱いに慣れている(SUS304)という理由が見られました。
加工しやすい金属ランキング 旋盤
旋盤加工しやすい金属のランキングです。旋盤加工は、同ポイントで2位になった金属の種類が3種類もあったのでランク付けは2位までとします。
- 1位…SUS303
- 2位…SUS304、SUS316、アルミ
材質がやわらかいために切削クズ(切粉)がばらけやすい(つまりにくい)という理由で旋盤加工しやすい金属の1位になったのがSUS303でした。
SUS304は「加工数が多いため慣れている・標準的・切削クズがばらけやすい」という理由で扱いやすい金属にランクイン。SUS316も似た理由でランクイン。
アルミは材質がやわらかいから、という理由でランクインしました。
加工しやすい金属ランキング マシニング
マシニング加工しやすい金属のランキングです。
- 1位…アルミ
- 2位…真鍮
- 3位…SUS303
1位は、被削性の良さからアルミでした。加工時間が短く刃持ちが良い・加工後の変形がないなどの理由があげられました。
2位の真鍮は、切削クズ(切粉)が粉になって刃物に巻き付かないなどの理由でした。
3位のSUS303も同じような意見でのランクインでした。というよりも基本的には3つとの似たような意見でのランクインです。
切削加工しやすい金属まとめ。 加工しやすい金属はやわらかくて被削性が良く切削クズ(切粉)がばらけやすい
切削加工しやすい金属に共通して言えることは、やわらかくて被削性が良く、切削した後のクズが刃物に絡まない性質であるということでした。(切削加工をする機械の種類や部署によって多少の違いはあり)
やわらかい金属は、加工がしやすい反面「傷がつきやすく取り扱いに気をつかう」という意見もありましたが、切削中に刃物を傷めずに加工時間もかからないということで扱いやすいと感じる人が多い傾向がみられました。
※やわらかい金属とは、硬度が低い金属などのことを指します。クッションや水あめのような手で触れると変形するような柔らかさではなく、手で触れると硬いけれどとがったものなどで削る時に削れやすいというやわらかさのことです。
加工しにくい金属、加工しやすい金属に関わりなく、品質にこだわった製品の製造を心がけています。